F_Cost control system

原価管理システム(F_Cost control system)

 以前、積算の段階で、型枠の資材の数量までを算出するソフトを実際に体験させて頂いた。セパレータのサイズや個数迄仕分けてくれる優秀なモノです。しかし、型枠工事業が、それについていけない現状があり、この世に出回ってはいない。そのソフト名が【material】という。ビジネスでよく使われている”マテリアル”の意味は、「物質」「物質的」「物質本位」で、型枠で、いうと、「材料=型枠資材」の意味になる。”F_Cost control system”は、工事を受注、実行予算を組んでいくところから始まる。勿論、この世には出回っていない。

 ここでは、弊社の「原価管理システム”FCCS”」を説明します。型枠業者間での情報共有・作業標準化が目的にあります。


【背景】

 2000年(平成12年)当時、アバウトな原価管理でした。損益は、一年の結果(決算)でしか分からない。損益計算書や貸借対照表が重要であったが、感覚で分かるものなので、実行予算との比較や、資材の管理をしっかり行いたかった。このころは、弊社敷地内の焼却場で野焼きは毎日で、型枠資材のリサイクル(マテリアル・サーマル)を検討していたころだった。また、フクムラ仮設㈱の足場材を運送する時は、お客様相手となるので、一般貨物運送事業(青ナンバー)の許可を取得して運送事業として本格的に稼働、更には過積載取締の強化に対応するため、全てを大型車に買い替えた。またリースの経験やそれによる資材を大切にするメンテナンス作業をしっかり行っていた弊社は、資材の入出庫や、運送管理(外部・内部運賃を分ける必要があった)、それによる現場の損益を”見える化”しようということで始めた。それが、「福村建設原価管理システム”FCCS”」。開発(システムエンジニア)は、株式会社ウィズダム(Wis`Dom)。OSが変わる度に、これまで3回バージョンアップさせている。開発費?(年間維持費=償却は、48.6万円)(9,726,200円÷20年)

※原価管理システムのelementを記載します。箇条書きにして(※補足します。次のバージョンアップを模索しながら

【管理】

1.管理情報 社名・住所・システム稼働日~帳票をプリントする時のプリンタ設定~就業情報

2.消費税情報 消費税率が変わった時の適用開始日・税率

3.住所データベース 郵便番号から住所が検索できる

4.法定福利費計算率情報 2021/7現在の京都府の法定福利費は、事業主負担(社会保険5.030%+厚生年金9.150%+介護保険40歳以上0.900%+雇用保険建設業0.800%+児童手当拠出金0.360%=40歳以上16.240%、40歳未満15.340%となっていて、厚生年金については、国会審議で上限に達しているので、これ以上、上がらないが、その他は、毎半年に上がっているのが常である。”FCCS”では、16.240%を入力することになっている。

※)様式ー見積(福村建設)2021[見積表紙、内訳、実行予算、労務内訳(大工・解体)、請求書、出来高表、積算、保証料率]

※)クレジットリスク・ヘッジ・サービス[Credit risk hedging service”CRHS”]売掛・手形☛でんさい・請負などそれぞれ企業間取引には債権となり、様々なCredit riskが発生する。そのriskを「保証」という。情報データベースを活用し分析・審査し、各機関に流動化を行い、価格付け[Pricing]を行います。弊社では、取引先の保証料率によって債権管理を行い工事金を流動化します。また”CRHS”は低コストと捉えている。


【マスター】

1.工事(登録) ID・工事名工事名略称請負先(ID管理)担当者(ID管理)・契約年月日・消費税率工事金額(税別)・契約金額(税込み:自動計算)・着工年月日(資材が稼働する前)・完成年月日(型枠工事が終わった時に入力)契約内容1~5(約束事や条件、経緯等入力)・㎡数・最終注文書番号・検索フラグ・控除額内容1~2・出力順・使用区分 (※主に赤文字を入力します。他は、経理が入力しますが、特に青文字は重要です。工事一覧が、画面表示・PDF・印刷でも出力出来ます。)

2.取引先 ID・取引先・住所連絡先・請求締日・支払時期(支払日)・他 (※何時もお世話になっている先様は入力不要です。新規の時は、信用調査が必須です。取引先一覧も検索出来ます。また、会社名の一部を入力して検索することも出来て確認する時は便利です。

3.[車種]・[車番]・[運転者] の基本情報等の入力

4.経費区分 材料費・労務費・外注労務費・外注費(一括)・経費・運搬費・間接費・その他・仮想収支

5.運搬区分 工事・倉庫作業・車両点検・仮設・その他・公休・有給・欠勤

6.資材分類 ID・分類名・他 (※ベニヤ・桟木・セパ・面木・目地棒・ぬすみ・消耗金物・円形材料・鋼製材料・リース・鋼管・ハイテン・アルミ・ポスト・ビーム・木パネル・Pパネル・金物・メンテ品・バタ角・自在うすベニヤ・金物袋・その他で22種類の内訳IDを設定します)

7.資材 ID・資材名・資材分類ID・内訳ID・在庫区分・単価・掛率 (※ 参考に弊社の資材 ID、(資材名)を紹介します。A-10(アルミバタ 1.0m)、A-12.5(アルミバタ 1.25m)、A-15(アルミバタ 1.5m)、、、、やめます。いっぱいあるので、、、単価 (※例えば、古3×6 3回転用を仮想し、1/3とする。1枚 1,500円であれば、500円) 掛率 (※㎡数のこと 3×6 1.62㎡ パネル900 0.6*0.9=0.54㎡)

8.担当者

9.金種、入金摘要、営業日数、職種 (※経理担当

10.常傭先 (※応援先や常傭先の登録です。

11.従業員 ID・従業員名・職種ID(大工・解体)・区分・出力順・使用区分 (※大工班が解体を行ったり、解体班が締付等の応援した場合の仕分けは出来ません

以上が、マスター入力(基本情報入力)。一度、入力すると殆ど入力することはありません。工事登録の際は、マスターから入力するところから始まります。

【集計】

工事原価集計・取引先集計処理・外注先集計処理が出来ます。会計ソフトとの数字合わせが必要です。RPA化希望。

【帳票】

・運転者別時間表

・運搬区分別時間表

・運搬月報

・運転明細書 (※傭車の請求で使用

・運搬区分別集計表

・労務費表 (※現場別に大工班、解体班の出勤表が確認出来ます。1日を8時間として労務管理。給与は別に計算し総支給額を月末に一人ずつ入力。そうすれば、現場ごと・応援先ごとに自動的に割り振りし、労務費表となります。PDF出力、印刷も出来ます。外注(手間)は、出面確認し、基本日当より、法定福利費を算出して別に諸経費として支払います。双方の間違いは、全くといっていいほどありません。

・労務費データ出力 (※CSV excelに労務費表出力出来ます。簡単な操作で、様式を変更出来ます。経理は、出面表・現場毎の労務費表・労働時間の明記された書類(今でも紙、これからは電子申請になっていく)が必要ですので、この機能は必須です。これもRPA化希望。資材部・運送部も同じ。

・工事別分類別仕入集計表

・工事別仕入先別仕入一覧表

・工事別分類別仕入一覧表

・仕入明細書

・資材別仕入一覧表

・資材別出庫一覧表

・資材出庫月報 (※日々の資材入力に間違いがないか確認。弊社は、新ベニヤ(3×6サムリン製、2×6ドルフィンコートシート張り)、新桟木(3.0m、たまに2.0m(4.0m半分))、うすベニヤ(t2.5mm、t5.5mm、t9.0mm)を原材料管理しています。資材部の在庫表と原材料在庫表を資材出庫月報と一致します。原材料管理は、不必要な在庫買いだめ等をしても償却出来ません、出庫(加工等で使う)して始めて償却します。その他、資材においても全て確認出来ます。

・工事未収入金管理表

・外注先支払一覧表

・未成工事原価集計表 (※会計士の処理は、毎月行う。未成工事の確認※弊社は工事進行基準で決算、月次も同じく。

・完成工事原価集計表 (※経理が、賞与引当金を入力して完成となる。これを印刷して、社長確認後、現場毎に保存している。

・工事台帳(会計用)

・工事原価明細表

・工事原価一覧表


【入力】

○運転明細入力 (※毎日

・日付 自動で出ているが、当日なので、翌日に入力する時は、日を変える必要がある

・入力番号 新規00○○○○○enterを押すだけで番号取得。既登録を確認する時は、ここに番号を入力、確認出来る。

・運転者 ID、若しくは選択

・車番 運転者を確定すると自動。違う車両に乗る時は、その車両の車番に変更する。

・運搬区分 1.工事(型枠運搬)、2.倉庫作業、3.車両点検、4.仮設、5.その他、6.公休、7.有給、8.欠勤

・工事 型枠工事現場のID入力or選択。完成現場は選択に出ない。完成現場IDはNG。(※修正点

・運搬回数・引上回数・横持回数・その他回数

・通常(時間・単価・金額)、残業(時間・単価・金額)、請求(傭車の場合入力)

・登録

○資材仕入入力 (※1ヶ月に1回、弊社は20日〆なので、25日までに入力。直ぐに反映させたい

・日付 その月の20日に変える (※何時も20日だといい。決算9月は、2021/09/30)

・入力番号 新規00○○○○○enterを押すだけで番号取得。既登録を確認する時は、ここに番号を入力、確認出来る。別にexcelで支払明細書(納材業者毎)を作成するので、入力番号を赤文字で明記(経理で月別に数字合わせを行うので、間違いがある場合などにcheckを行う)

・取引先 ID、若しくは検索 支払明細書(納材業者毎)に明記しておくので、IDを入力することが殆ど。

・工事 ID、若しくは検索 現場毎の入力番号。 (※弊社の場合は、43-043 43期-3桁

・資材 ID、若しくは検索 (※資材ID”SP”=資材名セパ、数量×単価=金額、現場毎に入力、合計金額は支払明細書と同じになるように確認。(※ベニヤ・桟木・セパ・面木・目地棒・ぬすみ・消耗金物・円形材料・鋼製材料・リース・鋼管・ハイテン・アルミ・ポスト・ビーム・木パネル・Pパネル・金物・メンテ品・バタ角・自在うすベニヤ・金物袋・その他で22種類)”FCCS”を始めたころは、セパも一本ずつ入力していたが、結構な手間で、今はフロア毎にしている)

・登録

○資材出庫入力 (※毎日

・日付 自動で出ているが、当日なので、翌日に入力する時は、日を変える必要がある

・入力番号 新規00○○○○○enterを押すだけで番号取得。既登録を確認する時は、ここに番号を入力、確認出来る。

・工事 型枠工事現場のID入力or選択。完成現場は選択に出ない。完成現場IDはNG。(※修正点

・資材 ID、若しくは検索 A-12.5(アルミバタ 1.25m)、S-3(桟木新3.0m)、SO-3(桟木古3.0m)、SO-25(桟木古2.5m)、BT-36(パネ3×6)、BTO-36(パネ古3×6)、BA-1(バタ角1m)、KS-700(鋼管桟木700)、MJ2015S(目地棒20*15*15片転)、MJ2015w(目地棒20*15*15両転)、P-1500(パネル1500)、P-600H(はしごパネル600×1800)、PK-1200(カタパネル1200)、TS-40(ポスト4尺)、、、など、それぞれ単価と掛率が、マスターの資材で登録されている。木パネルは、ランク(N、A、B、C)付け。ヒキワリベニヤは、㎡計算して、BTO-36、BTO-26の枚数で入力。加工時の桟木(新)、ベニヤ(新)は加工伝票を発行するので、S-3,BT-36,BT-26の新で入力、うすベニヤも伝票が必要。乱尺ベニヤについては、伝票発行しないので、資材原価を抑えようとするなら、細かいベニヤを使用すれば抑えられる(乱尺使用率上)。桟木・ベニヤ・うすベニヤは原材料管理している(※在庫表excel、伝票[3枚複写]資材部日報[在庫]の数確認)。木パネルは、N[新品]・A[1~3回使用]・B[穴詰、建築の壁等]・C[穴詰無し、基礎等]のランク毎に在庫管理を行い、パネル在庫報告書excelにまとめている(※

・登録

○注文書入力 注文書の発行、弊社は、従事者を社員化しているので特に必要ない(※修正点

○請求入力 請求金額の入力

○入金入力 入金金額の入力 協力会費、処分費、通信費を分けて入力

○原価入力 (※月1回、主に外注の入力 日付は、締日若しくは支払日にする。支払明細書に[原価入力○○○○]と記載する

○出面入力 (※社員大工、社員解体の入力を行う。入力は、月2回

・従業員 別の出面(excel)にID管理

・作業日 職長はその班全員・各自の出面を半月毎(15日、末日)に紙で提出。

・作業区分 工事・常傭 工事にcheck、応援等の場合は、checkを常傭にする

・工事 ID入力43-○○○→工事略名が表示される。

・作業時間 1日は8h、工事が複数ある場合は、時間毎に入力(枠が増える)、月実労働時間数をcheck 完成現場IDはNGとなってほしい。(※修正点

・備考 作業内容を残したい場合は入力。(※応援先の現場名や常傭作業の内容など

・登録

○実行予算入力 (※工事の受注及び請負金額が決まった時に入力

 様式[・実行予算・]の実行予算書を元に入力 技術紹介☛型枠単価の内訳

・工事ID マスターの工事 43-○○○3桁

・経費区分ID 1.材料費 2.労務費 3.外注労務費 4.外注費(材工) 5.経費 6.傭車費(運搬) 7.間接費(10%+”CRHS”) 8.その他 9.仮想収支 

・内訳ID 1.ベニヤ 2.桟木 3.セパ 4.面木目地棒 5.ぬすみ 6.消耗金物 7.円形材料 8.鋼製材料 9.リース品 10.その他 11.養生ベニヤ 12.締付金物 13.ポスト 14.鋼管 15.ビーム 16.木パネル 17.カタパネル 18.端太角 19.鋼管桟木 20.加工場費用 21.処分リサイクル費 22.うすベニヤ 23.4スター

※経費IDと内訳IDは、(例 1(enter)1=ベニヤ、2e1=大工、2e2=解体、2e3=倉庫、5e1=協力会費、5e5=積算代、などで覚えている。積算代は、受注前先に支払う経費なので、○○-000で仮に入力しておき、受注決定したら、43-○○○に振り替えます。

・数量・単価・金額(端数の調整が必要な場合はここで数値を打ち込む)、※社員の法定福利費はマスター入力した数値(自動)

・登録

○資材予定数入力 

○運搬予定数入力

○追加工事入力 追加日、増減金額、数量、消費税率を入力 ※増減が多い時は、マスターの工事(登録)で修正するのもあり

○資材棚卸入力


以上の日々、月々の入力を経て、

【工事問い合わせ】”FCCS”ソフト(by Wis`Dom)のPCで誰でも見れます。(※次は「クラウド」

画面表示される内容

・工事ID及び検索(完成工事は未表示)工事状況(全て・未成・完成)

・担当者 ID(指名)

・受注先 ID(会社名)

・完成した工事台帳(↓jpg↓)

・資材・資材明細・運転明細・分類別仕入・資材出庫・原価明細・資材仕入・労務費

その他、下記の一覧表で確認が出来ます。

【運転明細一覧】

【資材仕入一覧】

【資材出庫一覧】

【注文書一覧】

【請求一覧】

【入金一覧】

【原価一覧】

【出面一覧】


(Digression)

my company history

型枠工事とは

型枠とコンクリートの歴史

(Near future)

 「型枠タウン」「積算マテリアル」「原価管理システム」「勤怠管理CCUS経験蓄積」などをRPA化(ロボットやAIによる業務自動化:Robotic Process Automation)、更にステップアップしてEPA(データ収集、ログ解析=分析:Enhanced Process Automation)、最終的にはCA化(全てやってしまう、RPA+EPA×AI:Cognitive Automation)を実現したい。情報を全て共有することによって、豊かな建設業界の構築と高度な技術の承継(=持続可能な建設業界)を実現したい。させたい。

”未来永劫”=”持続可能”

上善は水の若水は善く万物を利して而も争わず。

 Succession of construction industry and technology

 Build a rich construction industry and succession of advanced"great"technology

 Future eternity & Sustainable