こんにちは!福村建設です(*^_^*)
今回のご紹介は『ホームタイ』です。
セパレーターの回にも時々お話に出ていたと思うので、
少し気になられた方は、こちらも是非ご覧ください↓
【 技術紹介 『ホームタイ』 】
♦ホームタイとは…
壁などのコンクリート型枠に際して、型枠の間隔を一定に保ち、締め付けておくためのボルト のことを言います
型枠の中にコンクリートを打設する際、『側圧』と言って外側に膨らむ力が何トンもかかります。
その側圧に負けずに型枠を保つために、型枠の外側から、内へ締め付け、型枠の間隔を保つのです。
基本 セパレーター1本に対し、ホームタイは2本使用します。
セパレーターのネジの部分にベニヤを挟み、締め付けます。
セパレーターの強さは、以前、紹介しましたがセパレーターとホームタイは合体するので、
強さはより強度なものになっています。
■使い方
ホームタイの使い方を、画像と共にご覧ください(^^)/
【1】型枠があります。セパレーターにホームタイを取り付けます。
【2】アップにしてみました。赤く囲まれた部分がホームタイです。
ホームタイを挟むように、※バタを設置します。
(※バタとは…型枠を押さえたり、枕に用いる6cm角程度の木材、鋼管)
(加工材によって、桟木の部分にバタがきたりと色々ですが、今回はこの形で使用するとします)
【3】今回はこちらの金物を使います。金物の穴の部分にホームタイを入れ、バタを設置します。
【4】クサビをホームタイの穴に差し込みます
【5】トンカチで叩き、更に締め付けて完成です。
【完成】こうすることで、側圧に負けず、間隔を一定に保った型枠ができるのです(^^)
♦ホームタイの名称
ホームタイは、それぞれの購入された業者さんでも名づけされたり、購入されたメーカーさんの製品名だったりするので、呼び名、製品名は各メーカーさんによって違います。
例えば…
福村建設では、『ホームタイ』とします(^^)/
♦ホームタイの種類
ホームタイは 2.5分 と 3.0分 のセパに対応しているものがあり、
長さ(穴の数)は 1つ穴、2つ穴、3つ穴 と3種類あります。それでは分かり易く画像とともにご覧ください。
★1つ穴 (2.5分、3.0分)
こちらは、2つ穴のホームタイを切断して使用しています。
1つ穴のホームタイは、狭いところに型枠を建て込む時などに使用します。
しかしすごく狭い場合は、隣接金物と呼ばれる金物を使用します。
★2つ穴 (2.5分、3.0分)
こちらの2つ穴のホームタイが一般的です。
縦バタがあって横バタで締め付ける場合に使用します。
★3つ穴 (2.5分、3.0分)
3つ穴は、縦バタ、横バタ、更にその横バタを締め付ける時に使用します。
ホームタイは転用出来る金物の部類です。
現場で脱型して倉庫に帰ってくると、まずネジの部分に油をつけます。
そして100本単位で金物袋に入れ、保管し、また現場に出庫します。
説明の通り、ホームタイはネジ部分に油をつけるので、油っぽいのです。
またホームタイは、無くなる率が高いという点があります。
比較的小さな金物なので、金物袋に穴が空いていると、そこからぽろぽろ落ちてしまったり、
地面に落ちっぱなしになると土に埋もれて見えなくなってしまうので、気を付けなければなりません…(*_*;
■ ネジ式ホームタイ ■
ホームタイには、ネジ式ホームタイという部類があります。
把握はできていないのですが、関東地方では主流なものと思われます。
呼び名はこちらも福村流ですので、正式名は、各メーカーさんによって違います。
▼画像:角バタ締付用の平金物をセットしています。長さが4種類ほどあります。
ネジ式ホームタイはそもそも、全国から見ると角バタ(鋼管)を使用しているのは地方によって違います。
私は関東で仕事をしていた時があります。締付用のバタは、丸バタ(単管48.6φ)を使用していました。
そしてその時のホームタイが、このネジ式だったのです!(上の画像のネジ式は角バタ締付用なので、関東の物とは違います)
では福村では、このネジ式ホームタイをどういうところで使用するかをご紹介致します。
例 ))
黒いもの(大きい止水板)の幅に影響して、桟木を余分に挟んでいます。
桟木を写真のように挟むと、3つ穴のホームタイでは、ホームタイの穴の部分に、
クサビを差し込むことが出来ません。
そこで! 調整の出来るネジ式ホームタイを使用します。
ネジ式ホームタイは他にも、段差がある時や、締付など、色々と工夫して使用することが出来ます。
ですから長さの種類も重要なのです(゜o゜)!
♦大工は「大きく工夫する」と書きます。このような技術があるからこそ、型枠大工なのです。
■ 福村建設の新たな取り組みとして… ■
昔は、ホームタイの締付作業を行うとき、ホームタイ回しという道具を使って、
手で回して締め付けていました。(狭いところでは、今でも使っています)
しかしここ数年前から、※インパクトドライバを使って、ホームタイの締付作業を行うことが
主流になってきました。
(※インパクトドライバとは・・・
使用目的に合ったサイズのソケットを取り付けることによって、ホームタイの締付や、ベニヤにセパを差し込む穴を開ける時などに使用する道具。(充電式電動工具) ソケットは、色々なケースに使用できるソケットがあります)
そのインパクトドライバの力が強くなってきて、(性能が良くなってボルト数が強くなったため)
セパにベニヤを挟んでホームタイを締め付ける時に、締め付け過ぎてしまう悪循環が出来てしまいました。
そうすると、ベニヤを挟んで締め付けすぎてしまうために、ベニヤを外した時に
セパの部分がぼこぼこになってしまったり、不陸が出来てしまいます。
また、基礎地中梁の天端のコンクリート幅が狭くなったりして、構造体にも悪い影響が出てきてしまい、
セパレーターの寸法を5mm長くして対応しても、まだ幅が保てないほどの悩みを持っていました。
しまいにはセパを10mm長くして・・・というくらい(*_*;
このことは大工さんにいくら注意しても、締め付けてしまう始末でした…。
そう思っていた矢先に、国元商会さんから「こんな本体を考えました」とカタログを頂き、
直ぐに、購入に至りました。
福村での呼び名は、『新ホームタイ』となりました。
♦新ホームタイ(金色) ♦従来のホームタイ(銀色)
・ネジの奥の部分には、これ以上ねじ込め無い様に ・従来のホームタイは、インパクトを使用すると
「あたり」がつけてあります。 ベニヤを締め付けすぎてしまう。
新ホームタイを導入することによって、締め付け過ぎ→これ以上いかない時は、ひと巻戻すという作業に定着してきました。(昔はそう教わりました)
このホームタイの開発は、皆がそう思うであろうほど私は、凄いと思いました。
※新ホームタイの使用上の注意!
勾配のついた型枠の時は、少しの勾配にも曲げセパを使用しないと、コンクリートののろが回り、
Pコンが埋まることになります。。
従来のホームタイと混合しないように気を付けましょう!
・新ホームタイが金色の理由・・・国元商会さんが開発する際に、「黒だと紛失し易い等考慮した結果、3分のホームタイと同じ色で金色に。。。銀色は従来の2.5分ホームタイ」とされたからです
以上、ホームタイの紹介でした!(^^)/