こんにちは!福村建設です(●^o^●)!
今回の技術紹介は、初の金物編です!!
金物の中でも今回は、消耗金物【セパレーター】についてお話させて頂きます<m(__)m>
【 技術紹介 『消耗金物 セパレーター』 】
まずセパレーターの話をするにおいて、
「消耗金物とはなにか 😕 ?」
という、そんな疑問について短くお話をしようかと思います。
消耗金物とは、型枠資材の中で、
一度出庫したらコンクリートの中に入って永遠に返ってこない金物のことを言います。
簡単に言えばその字面の通り、消耗される金物なのですね~(゜.゜)
ですので今からお話しするセパレーターは、一度現場へ行ったら返ってくることはない。
そんな金物なのです!(ただし、頼みすぎたりして余った場合は返ってきます)
さて、それでは本題のセパレーターの解説へ参りましょう(^^)/
まず一番の疑問「セパレーターとは何か」
お話を分かりやすくするために、セパレーターの形を見てみましょう。
▼ セパレーターの主な形 ▼
セパレーターの種類はたくさんあるのですが、わかりやすいようにこの形を主として見ていきましょう!
セパレーターは、使用される用途から、このような棒状の形をしています。
こちらは例として、B型セパレーターの形状図です。
⦅?⦆セパレーターとは?
セパレーターとは、私たち型枠的に言いますと
向かい合う型枠(コンパネ)の感覚を一定に保つために、壁や柱・梁の側面に使用する金物を意味します。
どういうことかというと・・・
型枠の中にコンクリートを打設する際、『側圧』と言って外側に膨らむ力が何トンもかかります。
ただ型枠を設置してコンクリートを流し込むだけでははじけ飛んでしまうわけですね…
そこで!セパレーターの登場です(゜o゜)!
こちらの画像をご覧ください▽▽
こちらがセパレーターの使用例です。
わかりやすくペイントしてみました(^^)/!
型枠の中に3つの棒があります。こちらがセパレーターです!
そして黄色に枠組みされた金物が、フォームタイ※です。
(※フォームタイについては、後程技術紹介にて紹介したいと思います)
まず、ベニヤにインパクトドリルで差し込み穴を開けます。
そして図のように、セパレーターを差し込み、
フォームタイでベニヤを挟み、端太材(鋼管等)で締め付けているのです!
こうすることで、側圧に負けずに型枠を一定に保つ事が出来るのです!!
どういうことかというと・・・
こちらは現場での使用例です
※ベニヤに空ける穴(セパの差し込みくち)の大きさのコツ
インパクトドリルのきり(ドリル)で先にセパを差し込む際、
ベニヤに空ける穴の大きさ(径)は、 9mm で行います。
また逆に、後に差し込む際の穴の大きさ(径)は、 12mm で行います。
⦅?⦆セパレーターはどれだけ強いのか
コンクリートの何トンもの側圧に打ち勝つセパレーターは、どのくらい強いのでしょうか…(゜o゜)
セパレーターの引っ張りの許容強度は2分5厘で1,400kgfです。
『2分5厘』こちらはセパレーターの太さを言います。2分5厘→直径約8mm
『1,400』 こちらはセパレーターの許容強度を言います。kgf→重量キログラム
セパレーターの引張実験では、2,000kgfを少し超えるところまで耐えられるようですが、
安全率を見て1,400kgfとしています。
▼強度一覧表
セパ太さの種類 | 呼称 | 引張許容強度(kgf) | 引張許容強度(kN) |
W5/16 | 2分5厘 | 1400kgf | 13.7kN |
W3/8 | 3分 | 2100kgf | 20.6kN |
W1/2 | 4分 | 2800kgf | 27.4kN |
・・・建築工事に多く使用される。
・・・土木工事に多く使用される
・・・セパレーターピッチを広くしたり特殊な型枠の時に使用される。
※↑これ以上の太さになると『ストロング』『タイロット』などの名称になります
⦅!⦆注意
この600mmは、一般的なセパレーターを並べる際の個々の間隔です。この間隔をピッチといいます。
ですがコンクリート打込み高さ、または時間(速度)によっても変わってきますのでその都度、計画を立てましょう!
例)セパレーターが600ピッチの場合。1.0㎡(1.0m×1.0m)の中にセパレーターが、2.78本ある計算になります。
この時のセパレーター1㎡当りの強度は 1,400(強度) × 2,78(本数) = 3,892(許容強度) となります(゜o゜)
ただし!!側圧がかかるのはセパレーターだけではありません!!端太等のたわみ計算も計画では必要です。
((!))セパレーターの種類
それでは!セパレーターの種類について見ていきましょう(^^)/
(1) 【型: H 】
- 形状:
- 太さの種類: 2分5厘、3分
- 用途: 基礎・地中梁(地中に隠れる場所)で使用する
建築上部で仕上げのあるところ
打設後はさび止めスプレーを吹き付ける
- 呼び名: 「エイチ、座金(ざがね)、さび止めするもの」
(2)【型: P 】
建築上部で吹付仕上(打放)・タイル仕上(打放)
打設後はモルタル詰めをする(Pコンよりモルタル少ない)
- 呼び名: 「ピィ、カップ、ハット」
(3)【型:B 】
化粧(土木工事等)
素地
打設後はモルタル詰めする(Pセパの場合よりモルタルが多く必要)
- 呼び名: 「ピーコン、Bセパ、丸セパ」
(4)【型: PH 】
((!)) 注意…建込時にどちらを先に建てるかで、ハネの位置をP側かH側か指定する
- 呼び名: 「エイチピィ、ピィエイチ」
(5)【型: HB 】
((!)) 注意…建込時にどちらを先に建てるかで、ハネがH側に必要かどうかを指定する
- 呼び名: 「ビーエイチ、エイチビー」
(6)【型: BP 】
((!)) 注意…建込時にどちらを先に建てるかで、ハネがP側に必要かどうかを指定する
- 呼び名: 「ビーピィ、ピィビー」
(6)【型: C 】
(7)【型: BC 】
(8)【型: 止水付 】
上の図ではHセパになっているが、PとBタイプの方が使用頻度が高い
- 呼び名: 「止水付、止水ゴム付」
(9)【型: 片軸長】
開口部~壁面にセパレーターをとる場合等
- 呼び名: 「片軸長」
(10)【型:両軸長 】
開口部~開口部にセパレーターをとる場合等
- 呼び名: 「両軸長」
(11)【型: ねじ切り 】
スラブ引き
S寸法(ねじ切り部分)の指定は50mm~70mmが多い
- 呼び名: 「ねじ切り」
(12)【型: 曲げセパ 】
ベニヤに接する部分から50mmのところで曲げる
- 呼び名: 「曲げセパ」
(13)【型: スタッドセパ 】
(14)【型: ハリロックセパ 】
Bセパにナットを付けて、後付けするセパレーター
- 呼び名: 「梁落としセパ、ハリロックのセパ、ハリポケットのセパ」
以上がセパレーターの種類です(^^)/!!
形は似ていても、それぞれに違った用途があることを、ご理解いただけたでしょうか(゜o゜)
以上で、セパレーターの技術紹介は終わりです!
・・・なのですが、先ほどのセパレーターの種類紹介において、
「Pコン」や「止水ゴム」など、なんだそれ? 😯 と思われた方が多いはず!
「Pコン」「ハリ用Pコン」「止水ゴム」…
これらはセパレーターに取り付けて使用する、付属品たちです。
それでは技術紹介セパレーター編は、
~ 消耗金物 セパレーター その2(付属品等)~ へ、続きます(#^.^#)!