こんにちは!福村建設です(^^)/
今回の技術紹介は『ビーム』です。
【 技術紹介 『ビーム』 】
ビームとは、長さを調整できる仮設用の鋼製梁。主にスラブ型枠の支持に使用します。
福村建設で保有しているビームは、ホリー製の「ビームAX」です。他、ビームには様々な種類があります。
▼ビームと呼ばれる種類
ビティビーム、ペコビーム、ビームSX(橋の床板型枠時のビーム)、
木製ビーム(海外製):ST(ショアリングタワー)システムに使用されるもの 等です
「ビームAX」は主に建築工事のなかの型枠工事で、スラブの支保工として使用します。
その利点は、
- スラブ下には、基本ポストを使用しないので、スラブ下の作業スペースがそのまま使えること
- 伸縮が自在である。(スパン調整が出来る) 前もって梁内寸法にセッティングできる。
- ポスト支保工より、工期が短縮できる。SFデッキだとさらに短縮。
【!】注意点
ビームの特性と、コンクリート打設時に荷重がどのように伝わるのか、
荷受け時の荷重制限を熟知した上で使用しないと、大変なことになります!!
【 各型式の伸縮寸法の確認 】
型式 | mm mm | 重さ(kg) |
AX 09-11 | 880 ~ 1,180 | 10.0 ※1 |
AX 11-14 | 1,120 ~ 1,460 | 11.3 |
AX 14-18 | 1,460 ~ 1,825 | 12.5 |
AX 18-25 | 1,825 ~ 2,525 | 19.0 |
AX 25-32 | 2,525 ~ 3,225 | 23.0 |
AX 32-39 | 3,225 ~ 3,925 | 28.0 |
AX 39-46 | 3,925 ~ 4,625 | 35.0 |
AX 46-53 | 4,625 ~ | ※2 |
※1・・・保有数は少量です。
※2・・・存在します。(福村建設では、かまぼこ屋根の梁内寸法が4,900mmあった現場で、リース品で使用したことがある)
【 カタログ 】
【 カタログ(ベニヤ施工例) 】
【 AXビームの重量 】
■ AXビームのピッチについて ■
スラブの厚さが t150mmまでは、450mm。t160mm~t200mmまでは、ピッチ360mmが基本です。
しかし、ベニヤ(コンパネ)のたわみ等も関係するので、その都度 構造計算と計画を立てましょう。
※ビームを使用する際、支保工計画を立てる場合、支保工計算書とビーム強度試験表が必要となります。
【 AXビームピッチ早見表 】
■ AXビームの長さセッティングの要領 ■
AXビームに先端~先端をスパンごとに合わせていく。
ビーム本体とサイドビームをビームクサビで固定。
【 AXビーム設置手順 】
①先ず、梁の梁側型枠のベニヤ小口部分に、AXビームをセットした後に、コンクリート又は、のろが出てこない様、コンストテープ又はペコシールを貼っておく。(雨の日は剥がれる原因となるのでなるべく避ける)
②AXビームの設置位置を記す。
③揚重機で、スパン毎に吊上げ、梁側型枠に載せて、2人作業で場所に設置していく。
④AXビームの溝部分に、ベニヤを釘で止める位置に、幅48mmまでのビーム桟木用ベニヤを仕込む。
ベニヤを敷き込み、釘で固定していく。(ビーム間ベニヤ@450用と@360用はテープの出現で今は、用意しなくなりました)
【 60下がりAXビーム とは? 】
(60下がりAXビーム)
(通常のビーム)
木製パネルやカタパネルを使用する場合で、サイドビームが60mm下がるように工夫してあります。
60下がりになるとビームのピッチが最大限可能になり、@600~@900まで長さによっては飛ばす事ができます。
なので、パネルは600×1800が最適で、パネルの四方は補助ベニヤになります。
また、プラスチックパネルを使用すると明り取りにもなります。
■ AXビーム使用にあたっての安全管理 ■
① 荷受荷重(AXビームの上に資材を仮置きする場合)
ビーム1本当たり225kgなので、ビーム3本に荷重が架かるようにする。
ビーム端部は600kgまで、ビーム中央は1200kgまでとする。
② 荷受計画
先行するスラブ箇所を選定する。(順番を決める。外回りのスパンは最初にセットしない)
(注意)リン木は、必ずビームと直角方向に設置すること。
(注意)ビーム設置後は鉄筋材料置場等のステージになるので、荷受け場所を双方で確認すること。
1梱包600kgとし、スパン最大積載荷重は1200kgとする。
(注意)ビーム設置時点で、梁下のポストは計画通り必要となる。(荷受けしたときに計算通り行かなくなる)
③ 梁型枠セパ位置
セパレーターの位置↓
- 垂直方向 400mm以内
- 水平方向 700mm以内
- スラブ下から1段目 300mm以内
- 梁下から1段目 150mm以内 (梁配筋の関係で通常は50mmになる)
④ 梁側型枠
スラブ下から梁下までの高さが750mmを超えた場合は、必ず縦桟木を入れること。
⑤ 梁型枠の傾倒防止
梁掛け時には落とし用のセパレーターが繋がっていない。なので、梁の頭を開きとめとして桟木で繋ぐこと。
⑥梁型枠下の支保工について
スラブをAXビームで支保工施工する場合は、SLから200mm~300mm以内にネガラミ、SLから2000mm以内に水平つなぎが必要です。
■ AXビームを使用するにあたっての確認事項 ■
① AXビーム使用における、梁側板を脱型する場合のコンクリートの検討
→コンクリート圧縮強度 116.1k/cm2 以上であること。
② AXビーム使用による梁への影響について
→サイドビームの爪の部分(120mm*9mm)が躯体に欠損となること。(欠損部分の影響は皆無です。)
★ AXビームの梱包
【 09-11 】 ●1束 5本 (5列を1段) ●束重量 50kg
【 11-14 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 113kg
【 14-18 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 125kg
【 18-25 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 190kg
【 18-25 60下がり 】 ●1束 10本 (5列を2段)
【 25-32 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 230kg
【 25-32 60下がり】 ●1束 10本 (5列を2段)
【 32-39 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 280kg
【 39-46 】 ●1束 10本 (5列を2段) ●束重量 350kg
【 ビームケレン 】
現場から帰ってきたビームには、コンクリートが付着しています。
それを、ケレンハンマーで叩いて落とします。(この作業をケレンといいます)
コンクリートを落とし終わったら、それぞれの長さごとに分け、製品にしていきます。
○ケレンの際に気を付けること
- ビーム本体が曲がってしまっているものは、必ず撥ねて製品にしないようにする。
- ビームのクサビがとれてしまっていたり、曲がったりして通りにくい場合は必ず補正する。
- ビーム桟木用ベニヤを置く溝の補修
以上、ビームAXの技術紹介でした(^^)/